今日は八幡宮へ茅の輪くぐりに出かける。
源平池ではたくさんの蓮のつぼみが、大きな丸い葉の間からさらに空に向かって伸びている。蓮の葉の森は、源平池に暮らす魚や亀などの生き物を暑い日差しから守るために鬱蒼としげっているようにも見える。風に揺れ、葉をはためかせる様子は涼しげで美しい。
この池は、源頼朝が平氏を滅ぼそうとした一一八二年(寿永元年)四月に頼朝夫人の政子が、大庭景義や専光坊に命じて掘らせたと伝えられる、放生池(仏教の教えにより、捕らえられた生物を放す儀式を行うための池)と考えられます。
とのことである。
神仏混淆の歴史を思う。ビャクシンやイチョウ等の植物が神社の中にあるのも、その名残だという。今では日本の風景にすっかり溶け込んでいる樹木も、当時の鎌倉ではたいへん珍しく貴重なものであったことを想像すると、かつての日本にはどのような原風景が広がっていたのだろう・・・。海を渡った小さな苗木たちは、今もこの地に生きている。蓮やイチョウ、ビャクシンを見ていると、やはりどこか異国の情緒が漂っているような気がしてしまう。
源平池の蓮の葉の上に亀が乗り、休憩しているのを見て「いいなー蓮の葉に乗りたいな」と子はつぶやく。
時折ぱらつく小雨の中で、茅の輪をくぐり帰宅する。